母子家庭でどんどん増える児童扶養手当受給者

児童扶養手当とは

児童扶養手当とは、父親母親が離婚するなどして世帯主である父親の養育費援助を受けられない母子家庭などの児童のために、地方自治体から支給される児童援助手当です。条件は各地方自治体によって異なりますが、対象となる子供が父母以外のものに養育され、18歳に到達して最初の3月31日(年度末)までの間に受給できます。しかし、女性に労働環境が一向に改善しないことで収入の方法がどんどん無くなっている母子家庭が急激に増加したために、児童扶養手当を受給する家庭もどんどん増加しています

【児童扶養手当の主な条件】
・ 父母が離婚した
・ 父が死亡した
・ 父が一定程度の障害の状態にある
・ 父が生死不明である
・ その他これに準じるもの
・ 父に遺棄されている児童
・ 父が一年以上拘禁されている児童
・ 母が未婚のまま懐胎した児童
・ 孤児など

【児童扶養手当の受給額】
・ 児童が1人 - 月額4万1720円
・ 児童が2人 - 月額4万6720円
・ 児童が3人 - 月額4万9720円

どんどん増加する児童扶養手当受給者

厚生労働省の社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例)結果の概況による児童扶養手当受給者の推移

上の図は厚生労働省の 「社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例)結果の概況」 による児童扶養手当受給者の推移を表したものです。ご覧のように児童扶養手当受給者はどんどん増加し、この10年でなんと30万人以上も増加しました。特に平成20年には100万人を突破したのです。これはいかに母子家庭の子供たちが困窮しているかを表したものです。こんなにひどい状況なのに、世間では知られていないのが悲しいですね。

しかし、児童扶養手当受給者が増えるということは、ただでさえ火の車である日本の財政にさらなる打撃を与えることになります。そこで厚生労働省は、生活保護と同様になにかと理由をつけて受給を拒んだり、受給額そのものを減らし始める(母子家庭ではなく、国のことしか考えていない)改革を行いました。下記参照。

児童扶養手当制度の悪質改正

年を経るごとにどんどん増える児童扶養手当受給者。しかし日本の財政は火の車なので、児童扶養手当に当てられる予算というのは変わっていないのです。ということは、受給者が増えれば増えるほど財政が圧迫されて制度そのものが崩壊する可能性があります。これを避けるために厚生労働省は、受給条件の変化を始めました。

・ 1998年には支給対象の所得上限を年収407万円→300万円へ引き下げ
・ 2002年には所得上限を年収365万円に引き上げた
・ 2002年には年収130万円以上は年収が1万円増えるごとに支給額を2000円削減
・ 2003年には受給開始から5年経つと支給額を最大で半減する

このような改正をしましたが、厳しくなった受給条件にはじかれた家庭が続出し、受給できたほとんどの家庭でも受給額が大幅に減ることになりました。厚生労働省の言い分としては、 『児童扶養手当をあまり手厚くすると、離婚がさらに増え、母子世帯の自立が遅れる。そのため受給額を削減し、母子家庭の自立を促進する』 というものです。しかし実際は、自立しようにも生活そのもので手一杯の家庭にそんな余裕はありません。スキルを得ようにも、お金も時間も無く、子供の面倒も見なければいけません。その子供の面倒すらお金が無いため託児所などへ預けることができません。結果的に自立を促進するどころか、生活を圧迫させ、多くの母子家庭がワーキングプアに落ちてしまいました。この改正は母子家庭の自立促進ではなく、児童扶養手当予算の都合だったのです

厚生労働省は児童扶養手当をあまり手厚くすると、離婚がさらに増え、母子世帯の自立が遅れる。そのため受給額を削減し、母子家庭の自立を促進するという理由でどんどん受給条件を厳しく、受給額を減額した

改正によってさらに困窮する母子家庭

引用 : NHK特集「ワーキングプア ~働いても働いても豊かになれない~

10才と12才の男の子をもつ31歳の鈴木さと美さん。福島県で4.5万円の家賃のアパートに3人で住んでいる。昼は建設会社の事務、夜中はコンビニ弁当の生産工場で働いている。こうやって月給は18.2万円。しかし経費と子供の養育費を差し引くと2万円しか残らない。しかし月4万円もの児童扶養手当が国から支給されているためになんとか生活できている。

だがその生活に危機が訪れる。児童扶養手当予算の問題で、受給開始から5年たったと支給額を半分に減らされたのである。かわりに国は自立支援メニューを用意した。しかし鈴木さんもその制度で介護福祉士の資格をとろうとしたが、専門学校卒業が条件であり、通学には昼間の仕事を辞めねばならず、結果的にスキルを得ることは不可能なことだった。母子家庭の生活を鑑みずに予算の関係でセーフティネットを切られたために鈴木さんような家庭はさらに困窮することになる。鈴木さんは今日も夜の仕事に出る。大丈夫かと番組スタッフが聞く。 「大丈夫、というかやるしかない。大丈夫じゃなくてもやるしかないですよね。あと10年がんばれば体がぼろぼろになっても子どもたちが巣立つと思うので、あと10年、自分がどうがんばれるか、どう子どもたちとむきあっていけるかっていうのが、今私が果たさねばならない責任だと思うし」

このように鈴木さと美さんのケースのような子どもを持つ母子家庭では、金銭的な面でも時間的な面でも専門学校へ行く余裕はないという状況に追い込まれています。しかし、いつまでたっても政府はこういった方々を救援してくれる気はありません。政府にとっては税金をたくさん納めてくれる大企業に政策を傾けがちなのです。よって鈴木さと美さんのような方は、自力でなんとかするしかないのです。お金がないから・・・時間がないから・・・なんていっていられません。現在では家庭で取れる資格というのが増えてきており、がくぶん総合教育センターなどの通信講座ではかなり安価で、比較的楽に介護事務の資格を取得できるようになってきています。さらにLECオンラインなどでは分割払いができるので月に数千円でも資格取得が可能になっているのです。政府に任せていては何も変わりません。自らが奮い立ってなんとかするしかないのです!

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