ラッキーバンクに対する証券取引等監視委員会の勧告

ラッキーバンクに証券取引等監視委員会の勧告

【証券取引等監視委員会が金融庁に行政処分の勧告】
2018年2月20日にまたもソーシャルレンディング業界に悪いニュースが入ってきました。不動産担保付きの高利回り案件で人気が高かったラッキーバンクに対して、証券取引等監視委員会が金融庁に行政処分の勧告を出したのです。

 

【ラッキーバンクについて】
ラッキーバンクは投資案件のほぼすべてに【高利回り】【不動産担保の安心】がついている案件ばかりのため新鋭業者でありながら非常に人気が出ています。そのため、案件が募集開始数分で完売してしまうなどソーシャルレンディング業界の中でも1、2位を争うほどの人気があります。


【よくわからない資本関係と若手社長の不安】
ラッキーバンクは公式サイトをみてもどこかの系列会社でもなく、何処かの資本が入っているような記述がなく、資本関係がよくわかりません。ラッキーバンクは代表取締役でもある田中翔平さんが設立した新鋭企業であり、その田中翔平さんは1990年生まれとまだ20代の若手社長です。

代表取締役:田中翔平

彼は資産運用のコンサルティングをやっている船井財産コンサルタンツ(現、青山財産ネットワーク)に勤務していた経験があり、そこでの不動産投資のノウハウをもとに起業をしたのではないかと考えられます。とはいえ略歴と年齢だけをみると少し若すぎる感じがして、設立が2014年ですから彼は24歳で起業したことになります。いくらなんでも本当にノウハウがあるのかと疑問符がつきます。事業の肝を握ってるのは金融業務経験と不動産投資実績が十分な副社長の奥山晴男氏ではないかと見ることができます。

しかし、お飾り的な若手社長を実績がたくさんある副社長が支えるという構図は、仮想通貨で問題を起こしたコインチェック社の和田社長と大塚COOにかぶるものがあります。

証券取引等監視委員会の勧告の内容

2.事実関係  

当社は、当社ウェブサイト及びウェブサイト内の会員ページにおいて、法人向けローンを出資対象事業とする匿名組合(以下「ファンド」という。)の出資持分の取得勧誘を行い、その出資金により貸付事業を行っている。貸付先のほとんどは、田中 翔平 代表取締役(以下「田中社長」という。)の親族が経営する不動産事業を営むX株式会社(以下「X社」という。)となっており、田中社長を含む取締役全員がX社における不動産事業の会議に参加し各事業の進捗状況等の報告を受けているほか、平成28年4月から同29年2月までの間においては、内部管理責任者である取締役をX社の不動産事業部に兼務させるなど、当社とX社は密接な関係の中業務を行っている(平成29年8月末現在、償還期限が到来していないファンドは、185本、出資金約62億円)。

(1)貸付先の審査につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
当社は、ウェブサイト上で公表している取引約款等において、貸付事業に係る貸付先の選定に関し、「借入人から借入れの申し込みがなされた場合には、あらかじめ当社が定める内規に従い審査を行い、当社が適当と判断する申込みについて、ファンドの募集手続に付す。」旨を、また、広告サイトにおいて、「当社は、借入申込者の信用力を厳密に評価します。提出書類(決算書・事業計画書・収支計画書など)に基づき融資の可否を判断します。」旨を表示しているが、当社の貸付審査の状況を検証したところ、X社より提出された財務諸表において、売却契約の締結に至っていない物件を売上に計上するなどして、純利益や純資産が水増しされているにもかかわらず、これを看過していたほか、X社が手掛ける複数の不動産事業について事業期間が延長となる事態が発生し、この間、X社は売却資金を得られず、平成29年3月以降に償還期日を迎えるファンドに係る借入金の返済が困難な状況となっていることを認識したにもかかわらず、その後もX社を貸付対象先とするファンドの募集を継続している。 以上のとおり、当社のウェブサイト上等の表示は、一般の出資者が読んだ場合、当社において、貸付先の信用力を評価するための具体的かつ客観的な内部基準に従った審査が行われるなど、慎重な手続によって貸付先の審査が行われているとの認識を与えやすいと考えられるところ、当社においては、上記のとおり、慎重な手続によって貸付先の審査が行われているとは認められない状況にあり、出資者の投資判断に重大な影響を及ぼすと認められる貸付先の審査について、あたかも、慎重な手続きによって行われているかのような誤解を生ぜしめるべき表示を行ったと認められる。

(2)担保物件の評価につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
当社は、X社が保有する不動産に担保を設定して、X社への貸付けを行っているファンド318本のうち252本について、「不動産価格調査報告書」を当社ウェブサイト上の募集要領に掲載しているが、当該報告書は、正式な不動産鑑定評価を行った上で作成されたものではなく、対外的に公表できない不動産価格をウェブサイト上に掲載し、ファンド出資持分の募集を行っている。 以上のとおり、当社は、出資者の投資判断に重大な影響を及ぼすと認められる担保評価について、誤解を生ぜしめるべき表示を行ったと認められる。 

みんなのクレジットの状況に似ている

【みんなのクレジットの時と酷似】
ラッキーバンクについてどこかデジャブを感じさせる点が「2.事実関係」にあるX社の存在です。X社とは田中社長が経営する親族の会社ということであり、身内の会社に資金を融資していたということです。これは2017年に行政処分をうけた 「みんなのクレジット」 を思い起こさせます。

【みんなのクレジットはめちゃくちゃ】
下記はみんなのクレジットが同じく証券取引等監視委員会の勧告を受けたときの内容ですが、今回と同じくみんなのクレジットも親会社とその関係会社に貸付を行っていたということが明記されています。この後、みんなのクレジットは金融庁から行政処分を受けて1ヶ月の営業停止処分が下りました。たった1ヶ月で再開した後、ある程度の償還はしたもののいくつかの案件は未償還が続き、ついには債権を別会社に売却するなど、投資資金の欠損の可能性が高い状況になっています。

当社の貸付先は、そのほとんどが当社の親会社である株式会社甲(以下「甲」という。)及びその関係会社(当社、甲及びその関係会社を合わせて以下「甲グループ」という。)となっており、貸付先が甲グループに集中している状況となっている
当社は、貸付先の審査の段階から、甲グループへの貸付けを予定していたにもかかわらず、ウェブサイトにおいて、ファンドが複数の不動産事業会社等に対し貸付けを予定しているかのような表示をし、貸倒れリスクが分散されているかのような誤解を与える表示を行った上で、顧客に対し、出資持分の取得勧誘を行っていた。
引用:http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2017/2017/20170324-1.htm

他にも2点の指摘がされています。

(1)貸付先の審査につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為・・・これは要するに審査がずさんだったということです。身内であるX社の財務諸表の中には本来売却契約に至っていない物件を売り上げに計上するなどの水増しがあったにもかかわらず、見逃していたことが挙げられます。完全に身内びいきの審査だったわけです。

(2)担保物件の評価につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為・・・これはサイトに掲載している担保となっている不動産の価格が正当に行われたものではないものであり、それをあたかも正当な評価額として掲載していたのです。他にも公表できないはずの価格を掲載して、出資者に誤解を招くなどの行為を行っていました。

みんなのクレジットと比較するとまだマシ

上記のことからラッキーバンクのやってきたことは身内に融資をして、その身内の審査はずさんそのものであったという点でみんなのクレジットに非常に酷似した内容となっています。以下はみんなのクレジットの悪行を箇条書きにまとめたものですが、みんなのクレジットと悪行と比較すればまだマシといったところでしょうか。

顧客から集めた資金はWEBサイトに表示されている企業ではなく、自社のグループ企業に集中して貸し出していた
担保を取るといいつつ、上記のグループ会社のほとんど価値が不明な未公開株になっていた
中には担保そのものが取られていないところもあった
ファンドの償還資金に他のファンド出資金が充当されていた(自転車操業)
キャンペーンのキャッシュバックにファンド出資金が充当されている状況(自転車操業)
白石代表がファンド出資金を自身の借入れ返済等に使用している状況
自社グループの増資にファンド出資金が充当されている状況 ファンドからの借入れを返済することが困難な財務の状況

みんなのクレジットの内容は、新たに顧客から資金を集めてそれを古い顧客の返済に当てる自転車操業、いわゆるポンジ・スキームといったものになっていましたが、ラッキーバンクに関しては資金を他の案件に流用していたことや、社長が資金を流用していたような点については記述されていませんでしたので底まで言ったものではない模様です。

ラッキーバンクからの連絡は何もわからない

これについてラッキーバンクからは以下のようなお知らせがされました。

証券取引等監視委員会の勧告について

本日、証券取引等監視委員会から当社に対する検査結果に基づき、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、行政処分を行うよう勧告したとの発表がありました。

今般の事態に至ったことにより、お客さまをはじめ、関係の皆様に多大なご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。

弊社は、今般の検査結果を踏まえ、改善策を策定・実施し、皆さまからの信頼向上に向け、全役職員一丸となって取り組んでまいります。

また、本件詳細につきましては、今後改めてご説明させていただく予定です。

何卒よろしくお願い申し上げます。

まぁみんなのクレジットといい、コインチェックといい、基本的には続報を待つしか無い状況なのはどこも変わりません。おそらく出資金が返ってこないという最悪の事態にはならないとは思いますが、続報が待たれます。

追記:ラッキーバンクは業務改善命令にとどまる

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