ソーシャルレンディングには第二種金融商品取引業と貸金業の資格が必要

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第二種金融商品取引業の資格要件

貸金業に登録する条件

第二種金融商品取引業の資格要件

人のお金を預かってそれを委託するソーシャルレンディングは金融取引業にあたります。したがってソーシャルレンディングを事業として行うには、金融庁が定めている第二種金融商品取引業の資格と貸金業に登録していることが必要となります。この第二種金融商品取引業というのは信託受益権の売買、売買の媒介、募集の取扱い(媒介)など、顧客からの資金を集めて運用するような金融商品の扱いをするのに必要な資格となっています。ちなみに第一種金融商品取引業は有価証券の取引や、証拠金取引などのデリバディブ取引を行うのに必要な資格となっています。具体的に、株取引やFX取引などを行うに必要な資格です。下記に金融商品取引業の資格要件を示しておきます。コレを見ると第二種は資本金や保証金こそ大きな金額が必要ですが、それ以外の資産額や規制については一種よりもかなり甘くなっていることがわかります。

ちなみに第二種金融商品取引業の資格を取得するには以下の条件が必要です。
・ 最低資本金:1,000万円以上
・ 登録免許税:15万円
・ 証券・金融商品あっせん相談センターへの登録:年会費10万円
・ 第二種金融商品取引業協会への入会:入会金100万円、年会費50万円
・ 金融知識のある役員が2名以上


純資産要件:なし
株主規制:なし
自己資本規制:なし

  法人格
有/無
最低
資本金
営業
保証金
純資産額
要件
自己資本
規制
主要株主
規制
第1種金融商品
取引業
必要あり 5000万円 あり
第2種金融商品
取引業
不要 1000万円 1000万円(個人の場合) 不要 不要 なし
投資運用業 必要あり 5000万円 500万円 不要 あり
投資助言・代理業 不要 500万円※ 不要 不要 なし
金融商品仲介業 不要 不要 不要 不要 不要 なし

 

ちなみに以下の条件を満たしていると登録を拒否されることにもなっています。
(金融商品取引法第29条の4、金融商品取引業等に関する内閣府令第13条)

① 金融商品取引業の登録等を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者であるとき
② 金融商品取引業の登録取消処分に係る通知があった日から処分等を決定する日までの間に金融商品取引業の廃止等の届出をした者等について、当該届出の日から5年を経過しない者であるとき
③ 金融商品取引法等の金融関連法令等に違反し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者であるとき
④ 他に行う事業が公益に反すると認められる者であるとき
⑤ 金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者であるとき
⑥ 金融商品取引業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていると認められない者であるとき
⑦ 法人である場合、役員または一定の使用人が次に該当する場合
 イ.制限能力者
 ロ.破産者
 ハ.禁固以上の刑執行後5年を経過しない者
 ニ.役員として勤務した法人が登録等を取り消され5年を経過しない者
 ホ.登録を取り消され5年を経過しない者
 ヘ.解任を命ぜられ5年を経過しない者
 ト.一定の金融犯罪・暴力団犯罪の罰金刑執行後5年を経過しない者
⑧ 個人である場合、申請者又は政令で定める使用人のうちに、⑦に掲げる欠格事由に該当する者のある者であるとき
⑨ 法人であって、資本金の額が政令で定める金額(1,000万円)に満たない者であるとき
⑩ 法人であって、国内に営業所又は事務所を有しない者であるとき
⑪ 外国法人であって、国内における代表者を定めていない者であるとき
⑫ 協会(一般社団法人第二種金融商品取引業協会)に加入しない者であって、協会の定款その他の規則(有価証券の売買その他の取引等を公正かつ円滑にすること又は投資者の保護に関するものに限る。)に 準ずる内容の社内規則(当該者又はその役員若しくは使用人が遵守すべき規則をいう。)を作成していないもの又は当該社内規則を遵守するための体制を整備していない者であるとき

【金融商品取引業者には検査を受けることが義務付け】
この金融商品取引業者は第一種第二種関係なく、金融庁による検査が行われています。人様のお金を預かっている業務ですから、横領や詐欺が起こらないように定期的な検査がされているのです。金融商品取引業者には検査の受忍義務がありますので、いかなる理由があれ検査を拒むことはできません。もし「検査官の立ち入りを拒む」、「資料の提示を拒む」、「役職員の面談を拒む」、「資料、データを隠ぺい、消去する」、などの不正行為を働いた場合、「刑事罰:1年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金&法人に2億円以下の罰金」をかせされる上に、業務停止命令、登録取消処分などの行政処分が行われます。

【金融庁の検査はずさんでお粗末】
このように、多数の条件を満たさないと登録できない上に、定期的な検査があるので安心できると表面上は見えます。しかし検査する側の金融庁は、不正を行ったMRIインターナショナルにも第二種金融商品取引業を与えていた上に、年金不正問題で大騒ぎを起こしたAIJ投資顧問の子会社であるアイティーエム証券には検査に入ったにもかかわらず不正を見抜けなかったお粗末さが明らかになっています。またFX黎明期においてもいくつものFX詐欺会社に第一種金融商品取引業を与えているなど、その検査には大きな疑問が残るものです。そのため、ハッキリ行って金融商品取引業者の資格は気休め程度だと思っていいかもしれません。資格がない業者は全く信用できませんが、かといって資格を有している業者すべてが信用できるわけでもないのです。

【そもそも検査自体が間に合っていない】
第二種金融商品取引業者に対する検査の現状について」という関東財務局の方が第二種金融商品取引業協会が発表した資料を見ますと、第二種金融商品取引業者にも5社に虚偽通知や出資金の流用、分別管理がされてない、無登録業への名義貸し、人的構成がなされてない、当局への虚偽通告、検査拒否などの悪質な事例が確認できており、第二種金融商品取引業の資格を有している業者の中でさえ、不正を働いているところが多いことがわかります。また第二種金融商品取引業者は1200ほど有るにも関わらず、検査をしたのはわずか180程度であり、数年から10年に一度しか検査を受けていない計算になります。検査の合間にいろいろやってもわからないわけですね。この検査体制をみても、すべての業者の是正化には到底追いついていないのが現実であることがわかります。

関東財務局:金融商品取引業者等に対する行政処分

貸金業に登録する条件

またソーシャルレンディングにおいては貸金業の資格も必要となっています。

貸金業に登録する条件は以下のようになっています。
・ 最低純資産額:5,000万円以上
・ 常勤役員:法人の場合、常勤役員に貸付けの業務に3年以上従事した経験を有する者がいること
・ 申請者が個人の場合は申請者が貸付業務に3年以上従事した経験を有するものであること
・ 営業所ごとに貸付けの業務に1年以上従事した者が1名以上在籍していること
・ 貸金業務取扱主任者:試験に合格し主任者登録を行った者を営業所毎に設置していること
・ 貸金業の業務に関する社内規則、組織図を定めていること。

さらに次の条件を満たしていると登録を拒否されます。
○貸金業登録申請の要件
 1.貸金業登録拒否事由に該当しないこと
  次のいずれかの登録拒否事由に該当する場合、登録が拒否されます。
   1)申請者が、成年被後見人又は被保佐人である場合。
    2)申請者が、破産者で復権を得ていないものである場合。
    3)申請者が、貸金業登録の取り消しの日から5年を経過しない者である場合。
     (当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取り消しの
     日前30日以内に当該法人の役員であった者で当該取り消しの日から5年を
     経過しないものを含む)
    4)申請者が、禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行
     を受けることがなくなった日から5年を経過しないものである場合。
    5)申請者が、貸金業法、出資法の受入れ、預り金及び金利等の取り締まりに関
     する法律、旧貸金業者の自主規制の助長に関する法律もしくは暴力団員に
     よる不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、罰金の刑に処せられ、
     その刑をの執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年
     を経過しない者である場合。
      貸付けの契約の締結若しくは当該契約に基づく債権の取立てにあたり、物価
     統制令第12条の規定に違反し、若しくは刑法若しくは暴力行為等処罰に関する
     法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を受けることがなくなっ
     た日から5年を経過しない者である場合。
    6)申請者が暴力団員である場合又は暴力団員でなくなった日から5年を経過し
     ない者である場合。
    7)申請者が、貸金業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認める
     に足りる相当の理由がある者として法令が定める者である場合。
    8)申請者が、営業に関し成年者と同一の能力を有しない場合で、その法定代理
     人が上記の1)~7)のいずれかに該当する者である場合。
    9)申請者が、法人の場合で、その役員または令第3条に規定する使用人のうちに
     上記1)~7)のいずれかに該当する者である場合。
   10)申請者が、個人の場合で、その役員または令第3条に規定する使用人のうちに
     上記1)~7)のいずれかに該当する者である場合。
   11)申請者が、暴力団員等でその事業活動を支配する者である場合。
   12)申請者が、暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として
     使用するおそれのある者である場合。
   13)申請者が、営業所又は事務所に貸金業務取扱主任者を置かないものである
     場合。
   14)申請者が、貸金業を遂行するために必要と認められる基準に適合する財産的
     基礎
を有しない者である場合。
   15)申請者が、貸金業を遂行するために必要な体制が整備されていると認め
     られない場合。
   16)他に営む業務が公益に反すると認められる場合。

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