学歴なんてどうでもいい?高卒の人の70%が正社員になれていないんだぞ

勉強できないまま大人になるというのはリスクが高い

小学校ならともかく中学校や高校になってくると急激に勉強のレベルが上がるため、勉強することをあきらめて全く勉強をしようともしない生徒が出てきます。最近ではおバカタレントなる存在もでてきたせいか、全く勉強しようともせず、高校や大学に行く気すらない子供も多いようです。親の経済的な事情でまともに学校へ行くことができず、就学援助を受けている生徒がいる一方で、勉強できる立場にありながら勉強をしようとしない子供が多くなっているのです。しかし、経済的な理由でできない人はともかくとして、勉強する・しないは本人の自由であって、他人がとやかく言うことではありません。

しかし、親や先生などがそういったことを言うのは、きちんとして明確な理由が存在しているからです。それは勉強せずにバカなまま大人になというのが、非常にリスクの高い生き方であるこということです。こういうことを言っても最近の学生は ”考える力” が低下してきているせいか、勉強せずにバカなまま生きていくというのが危険であることを認識していない傾向があります。ですのでここでハッキリと教えておきましょう。勉強しないでバカなまま大人になると、将来の人生においてとりかえしのつかない損をするということを。ここでは学歴信仰の強い日本で、高卒の若者がどれだけひどい立場におかれているかを教えます。

10代の人の実に70%は正社員になれていない

全世代において、非正規雇用者の割合は右肩上がりであり、全く改善されていない

上の図は内閣府が発表した 「青少年白書」 および、統計局の発表した 「就業構造基本調査」 のデータにおける正規の職員・従業員以外の雇用者の比率が最近25年でどのように推移しているかを表したグラフです。正規の職員・従業員以外の雇用者とはつまり正規以外の労働環境にある人、つまり非正規雇用者のことです。つまりこのグラフは、非正規の労働者がどのように増えているのかをあらわしているのです。

この図をご覧になれば一目瞭然ですが、すべての世代において非正規の労働者の割合は増加しており、特に15~19歳の年齢の若い労働者の比率は頭ひとつ抜け出しているのです。しかもその上昇も異常なほど大きなものとなっています。データで一番古い20年以上前の昭和57年には、15~19歳の方たちも他の世代と同じような割合だったのですが、平成4年ごろから急激にその割合が増加しており、現在では実に70%以上の人が非正規になってしまっているのです。15~19歳とは例外もありますが、卒業年齢から数えて中卒や高卒の人のことをさしています。そのためこの図によって中卒・高卒の人の70%が正社員になれていないことを証明しているのです。

グラフの最初のほうである20~25年前の水準では全ての年代において10%ほどの割合しかありませんでした。この頃は日本はバブル景気に浮かれていて、ほうっておいても企業のほうが ”学生を接待” して是非我が社にきて下さいと言われていたものです。それに比べて今はどうでしょうか?中卒・高卒ではほとんどの人は正規雇用されません。20代になっても40%が非正規になっています。いまの若者とバブル期の若者では、扱いに天と地の差があるのです。

そもそも最初の就職で非正規の職を選ばざるをえない

上の図は統計局の発表した 「就業構造基本調査」 のデータにおける非正規の労働環境において、最初の就職が非正規の仕事であった人の割合をこの30年にわたって比較したものです。若者の多くは、社会に出るにあたってどこかへ就職しますね。卒業するのが中学校であろうとも、高校であろうとも、大学であろうとも、大学院であろうとも、最初に就職するところがあります。その最初の就職した仕事の労働環境が 「パート」、「派遣」、「期間契約」、「アルバイト」 などの非正規のものであった人の割合を示したのがこの図なのです。

そして、ご覧になれば一目瞭然ですが、最初の就職が非正規であった人の割合は、完全な右肩傾向で上昇中なのです。1980年代のいわゆるバブル時代と呼ばれていたころは非正規の人はわずか10%程度に過ぎませんでした。しかもこの頃の時代は、「企業に束縛されずに自由に生きたい」 とフリーターを自発的にやっていた人もいたので、やむなく非正規になった人はさらに減るでしょう。それに比べて2000年代になると、その割合は実に40%にも達します。女性なら50%を超えるのです。そして、いまの時代では自発的にフリーターをやる人などほとんどいないので、多くの人がやむなく非正規の仕事を選んでいます。10代の労働者の実に70%が非正規であることも納得できる数字でしょう。これから社会に出る人の多くは、非正規の仕事を選ばざるをえない状況まで堕ちてしまっているのです。

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