FX業界の歴史と傾向、2008年犯罪、2009年規制、2010年淘汰、2011年変革、2012年特化

FX業界の歴史の始まりと犯罪業者

FXが日本で始められたのが外為法改正の1998年ですが、FX自体はインターネット取引が主流になった2000年頃にならないと始まりません。2002年頃になって、ようやくFX会社がFX取引をサービスとして始める証券会社が出てきます。基本的にこの頃はFXなど金融庁は相手にしていなかったようで、業者のやりたい放題な状態になっていました。ドル円のスプレッドが5~10pipsといえばわかりやすいでしょう。今は0.5pipsとかで取引できることを考えれば、いかにぼったくりをしていたかわかりますね。

2004年頃から拡大する世界経済の影響で、低金利の円を調達して高金利通貨を買う円キャリートレードが始まり、円安相場が続くことになります。これによって馬鹿でも円売りすれば儲かる相場になって、FXで大儲けした人が出始めます。同時にFX業者の犯罪もひどくなり、悪質な業者は顧客から預かった資金を自社の運転資金に回したり、ひどいところでは完全に個人のお金として横領しているところもある始末です。しかしこれではいけないと、ようやく重い腰を上げた金融庁は2005年にFXを金融取引法の管理下におき、分別管理を義務化させました。2005~2006年のピーク時にはFX会社は200社を超えるほどのすさまじい数がありました。当サイトのFX業者一覧にも、その名残が残っていますね。

金融危機によって犯罪業者が表面化した2008年

2005~2006年のピーク時にはFX会社は200社を超えるほどでしたが、同時に犯罪業者も相当数に登っていました。金融庁はまだFXの規制を始めたばかりで手は回っていませんでした。そしてその頃にちょうど2006年上海ショック、そして2007年のバリパショック、サブプライムショック、2008年のリーマン・ショックといった金融危機が立て続けに起きました。それまでFXの円安相場で大きく買っていた素人投資家が一斉に退場させられることになったのです。

それだけではなく、顧客の金を流用して運用していた悪質業者も大損をすることになりました。そしてFX札幌やアルファFXといったFX史上稀に見る犯罪企業が続々と顧客の金を持ち逃げしたり、勝手に使ったりする事件が相次ぎました。FXによって4億円脱税した主婦や、10億円稼いだ80歳の人などが出てきた輝かしいFXのイメージは、一転、破産者や資金を全部失った阿鼻叫喚の最悪イメージに変わってしまいました。まぁ逆に言えば、犯罪業者はどんどん退場していったので、今のように安全な業者だけが残る要因にもなったんですけどね。

2008年は犯罪業者発覚・逃走の年

次々と始まる規制によって業者が大量淘汰される2009年

2005~2006年のピーク時にはFX会社は200社を超えるほどだったFX業者も金融危機で業者そのものが崩壊したり、顧客が離れていったりして150社ぐらいに減って行きました。そこへ追い討ちをかけたのが続々と始まる金融庁のFX規制です。2009年にはいろんな規制が始まり、ただでさえ弱ったFX業者はさらに痛めつけられることになるのです。その規制はFX業者の大量淘汰につながることは明白でした。

まず4月には信託保全の義務化が始まりました。これは投資家にとっては資金の安全性が確立されるために非常にありがたいことでしたが、FX業者にとってはコストが非常にかさむものでした。さらにいえば、今までゆるゆるの資金管理でやっていった犯罪業者や犯罪予備軍業者などにとっても死活問題になりました。さらにコレに加えて2010年、2011年にレバレッジを規制することも決定したこともさらに追い打ちをかけたのです。まっとうな営業をしていた業者も続々とビジネスモデルの変革を求められることになりました。それまではスプレッドとレバレッジだけが業者の魅力と言える状況であったので、スプレッド0pipsとか、レバレッジ700倍などの非常に過当競争が起こっていましたが、それが全く通用しなくなることがわかったからです。これによってFXに旨みなしと判断した証券会社や先物会社などが続々とFXサービスを終了しました。中には顧客ポジションを勝手に決済したり、持ち逃げしたところもあったりして、FX業者の信頼性は最低になっていた時期でもありました。

2009年は規制による大量淘汰の年

次々と淘汰され生き残りを模索する2010年

2010年、2011年にレバレッジを規制することも決定したために2010年も2009年に引き続き業者の撤退や廃業が相次ぎました。数々の規制や金融庁の監視の目も行き届くようになったため、この頃の業者は撤退することはあれど資金の持ち逃げなどは全くなくなりました。ピーク時には200社あったFX業者もあっという間に100社をきっていました。さらにレバレッジが規制されたことで多くのFX業者は魅力のハイレバレッジを使うことができなくなったために新しいアピールポイントを模索することになります。ここで台頭するのがマネースクエアなどのハイレバレッジを導入せずにサービス重視に傾倒していた業者です。レバレッジなどなくても、魅力あるサービスで顧客をつなぎとめればよいという経営方針がここにきて光り始めたのです。これによって2010年頃からはスプレッドやレバレッジみたいな業者の性能よりも、どのようなサービスを提供してくれるかのサービス重視の時代へと変わっていくのです。FXだけでなくCFDやBO、さらにはキャッシュバックを重視したGMOクリック証券や、逆にスプレッドを極限まで狭めたDMMFX、食品などのキャンペーンを充実させたヒロセ通商など、各々が独自サービスを作り出して他社との差別化を図っていったのです。しかしその流れに乗ることができずに撤退した業者も少なくありませんでした。

2010年は淘汰の中、変革を模索する年

規制が終わりサービス重視になっていく2011年

2011年にはレバレッジ規制も完了し、最大レバレッジは25倍になってしまいました。コレを嫌ったハイレバレッジトレーダーが海外業者へ流れるようになります。この頃から海外業者の台頭も始まります。しかしレバレッジを上げることができない国内FX業者はレバレッジに頼らない魅力:サービスを提供する路線へと明確に変わっていきます。情報サービスを重視するFXプライム byGMOや外為どっとコム、くりっく365やMT4を導入するYJFX!、バイナリーオプションを導入するFXTF、GMOクリック証券、IG証券、システムトレードを導入するひまわり証券、インヴァスト証券など、次々と生き残った業者は自社でしかできない独自サービスを全面に押し出すビジネスモデルに変わっていきます。これによってFX業者の淘汰も終わり、業者の安全性が確立される時代になっていったのです。と同時に業者の多様性が広がる時代ともなっていき、投資家はいろんな選択肢が広がるようになりました。スプレッドやレバレッジを重視するなら海外業者を使い、サービスを重視するなら国内業者と、使いようが非常に広がったのです。

2011年は海外業者台頭とサービス重視の年

路線が確立してサービス特化になっていく2012年

規制も終わり、犯罪業者や弱小業者も淘汰された今のFX業界では大きな変化も終了したと言っていいでしょう。このさきの2012年はより今の路線が鮮明となり、各FX業者とも自社と他社の差別化を図る行動を取って行きます。つまりサービス重視からサービス特化へとなっていくのです。いまでは似たようなサービスを提供している業者も多いですが、そのうち 「このサービスは我社でしかできません」 といった独自サービスを前面に押し出してきます。マネースクエアが特許を取ったトラップリピートイフダンもその一例になるでしょう。同時に ”ハイレバレッジという独自性” を前面に押し出した海外FX業者や海外バイナリーオプション業者も台頭してきます。この状況下で日本のFX投資家はより選択肢が増えた分、自分の投資手法や傾向を確立していかないと、様々なサービスに振り回されていくでしょう。

2012年はサービス重視から特化型になる年

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