財政危機で国家破産:デフォルトとはどういうことか

国家破綻、国家破産、国家レベルの自己破産ということ

日本の危機、日本の経済の危機、危機、危機という話があちらこちらで聞かれますが、その話の核心にあるのが日本という国家の破産です。破産という言葉を聞くと、国ではなく個人の人が借金を返しきれなくなって自己破産をし借金を帳消しにすることが思いつきますが、その破産を個人レベルではなく国家レベルで行うのが国家破産です。

破産ではなく破綻を使うこともありますが、日本の国家破産、日本の国家破綻、日本破産、日本破綻はほぼ同じ意味です。

なぜ国家が破産・破綻してしまうのか

国家がなぜ破産してしまうのか?

まず国家というのは国民を養ったり守ったりするためにいろいろ公共の事業をしなければいけません。なにかをやるには当然お金が必要であり、予算を組むために国債を発行してそれを買ってもらいます。これにより借金という形で予算を組んで政策を実施したりします。

本来ならば借金ですので、利子をつけて返さなければいけません。償還といいます。しかし日本のように収入(歳入)より支出(歳出)が多い国は赤字ですので借金を返せる余裕がないので、借金を返すために借金をする自転車操業の状態に陥ってしまいます。

すると借金が返しきれないほど膨大なものとなり、またそんな借金まみれの将来がない国の国債を買ってくれるところもなくなって、資金繰りが悪化し、借金で借金を返すことすらできなくなると破産となるのです。基本的には個人の破産と同じ仕組です。

国債の償還の義務を果たさないことをデフォルト

国家が借金を返せなくなって、国債の償還の義務を果たさないことを債務不履行(デフォルト)といいます。本来返さなければいけない借金を返さなくなるので、国家の信頼は地に堕ちて社会が大混乱の状態になります。個人のレベルであれば自己破産という制度が、国によって定められており、その制度を利用することで条件付きではありますが借金を帳消しにすることができます。

しかし国家レベルでは助けてくれるところなどありませんから、ほとんど踏み倒しに近い状態です。

国家破産をしてしまうとどうなるのか?

国家が国債を償還できずデフォルトし、破産状態になると強烈な社会不安が起こります。

まず悪質なインフレ、ハイパーインフレが起こります。

借金を返せないというのはその国家の信用を一番堕とすことです。国家の信頼がなくなりますので、その国家の発行した通貨の価値もなくなります。通貨というのはただのコインや紙切れであり、その紙切れを国家が価値を保証することで成り立っているものですから、価値を保証してくれるところがなくなった通貨は暴落します。

すると通貨が暴落しますので、相対的に物価が上昇し悪質なインフレとなります。過剰なインフレは人々の生活物資すら手に入れることができなくなり、失業者も増大、自暴自棄になる人が多くなって治安が悪化します。しかし財政が破綻した政府にそれを押さえつけられるような治安維持はできず、どんどん社会不安がひどくなるのです。

わかりやすい例としてアルゼンチンの国家破産記事をご覧ください。

アルゼンチンの財政破綻、国家破産の事例

戦後の日本こそデフォルトをした張本人

戦後の日本は戦争にによる膨大な借金が積み重なり、政府が破綻し、通貨である円が暴落、ハイパーインフレが起こりました。当然のように旅行になどには行けるはずもなく、贅沢品を買うなど論外で、毎日がその日暮らしになってしまいました。

失業率はとんでもなくあがり、街にはホームレスがあふれ、食料をめぐって毎日犯罪が耐えない地獄のような毎日になりました。さらに政府は国民の銀行口座を封鎖(預金封鎖)し、国民の財産を没収、それにより国民のほとんどは財産という財産をほとんど無くしてしまいました。

なんと財産税というトンデモナイ税金を新たに作り、国民のお金を強制徴収したのです。

日本が戦後直後に財政破綻をし、国民の預金を強制徴収した「預金封鎖」の事例は次の記事をご覧下さい。

かつて日本は戦後直後に預金封鎖をして、国民の預金をぶん取った前科がある

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