債券の格付けと利回りは反比例するが、日本国債は反比例しない

債券とは格付けがされるもの

債券というのは国や地方自治体、または企業などが発行する資金調達のための有価証券のことで、これを購入するという形で債券者は利子による利益を得ることになります。債券を発行する側は発行で得たお金によって運営をしていきます。基本構造としては企業が発行する株式と同じですが、債券には満期日が決められていますし、利子についても毎年決まった額が支払われます。企業の損失によって利回りに変化が起きることがないのがメリットといえます。しかし世の中にはたくさんの債券が出まわっており、投資家はたくさんの選択肢の中から選ばなければいけません。

そこで債券の選択の目安となるのが 「格付け」 です。これは債券を発行している発行体の信用力を表すものです。格付けは格付け機関という専門の団体によって格付けが行われており、投資家はその格付を参考にして投資の目安を決めています。有名な格付け機関などに 【ムーディーズ】、【スタンダード・アンド・プアーズ】 などがあります。格付け機関は債券に対して何の利害関係もない第三者が行っており、更に発行体ではなく債券自体に対して行われるものです。そのため同じ発行体が発行している債券でも格付けが異なる場合があるのです。発行体の信用力に応じて随時見直しもされるため、格付けは変化します。しかしこの格付機関は21世紀になって金融危機の主犯ともなったサブプライムの債券などを高格付けしていたこともあり、その格付けには現在疑問の声が上がっています。

債券の信用と利回りは反比例する

このように債券とは格付けがされるものです。その格付けは利回りにも影響を及ぼします。例えばアメリカやドイツのような国際的にも軍事的にも経済的にも信用力が高い発行体の債券だとリスクが少ないので利回りは小さくなります。人気なので利回りを低くしても売れるのですね。しかし、逆にギリシャやポルトガルといった欧州金融危機を引き起こしたような問題だかけの国の債券だと、アメリカやドイツと同じ利回りでは誰も買ってくれません。買ってもらえなければ債券を発行する意味がなくなります。そのためなんとか買ってもらおうと利回りを高くするのです。投資家はその債券のリスクと利回りを天秤にかけて選択をするというわけです。2011年、2012年と世界を騒がしたギリシャ国債は、このランク付で最低のD:債務不履行扱いのジャンク債扱いを受けていました。

rank 格付けの内容
AAA 債務を履行する能力が極めて高い。利息を余裕をもって得られる
AA 債務を履行する能力が非常に高い。利息を余裕をもって得られる
A 上位2つに比べて、経済環境の悪化からより影響を受けやすい
BBB 債務履行能力は十分だが、上位格付けに比べて、経済環境の悪化の影響を受けやすい
BB 経済環境の悪化の場合に、債務履行能力が不十分になるリスクにさらされている
B BBの格付けよりも経済環境の悪化で、債務履行能力が不十分となる可能性が高い
CCC 債務不履行となる可能性を持ち、債務履行能力は財務経済状況に依存している
CC 債務不履行となる可能性が非常に高い
C 現在、破産法に基づく申請中だが、債務に基づく支払いは引き続き行われている
D 債務不履行に陥っている

利回りは必ずしも反比例するわけではない

上記のように債券とは信用度と利回りが丁度反比例する関係にあります。信用がある強い発行体の債券は利回りが低く、信用がなく弱い発行体の債券は利回りが高くなります。しかしこの関係は必ずしも全てに一致するわけということはありません。代表的なのが日本国債です。知っての通り日本はGDP比で200%を超える債務を抱えている世界最大の借金大国です。当然財務状況もよくなく信用がありませんので、日本国債の価値は非常に低く扱われています。以前は中の上程度の 「AA」 や 「Aa2」 の扱いでしたが、最近になってどんどん格付けがさげられていって、今や中の中程度にまで格下げされています。そのランクは中南米の発展途上国のチリやペルー並の扱いです。

しかし日本の国債は利回りが1%台という非常に低い段階で止まっています。価値が低いのにこのようなことも起こりえるのです。その理由は供給と需要の関係があります。日本国債は非常に格付けは低くなっていますが、それは国際的な扱いであって、国内の扱いでは異なっています。日本の格付け機関はいまだに日本国債が最上級の格付けをしており、それを理由に銀行を始めとした金融機関がこぞって国民の貯金を使って日本国債を買い続けているのです。故にいくら外国での格付けが低くとも国内機関が買い続けてくれるために需要がなくならず、利回りが高くならないのです。

但しこの話には当然裏があります。あまり知られていませんが、銀行のバランスシートには日本国債は計上されないようになっているのです。そのため銀行はいくらでも国債を買うことができるため資金の許す限り国債を買い続けることができます。というか逆に買わなければいけない状況まで追い込まれています。さらに年金機関も毎年50兆円という年金支出金を確保するために、今まで買い込んできた国債を売らざるをえない状況になってきています。さらに毎年の国債発行額も増える一方なので、いずれ買い支えができなくなることは目に見えています。そのときどうなるか?おそらく国債暴落、利回り急騰による金利急変、大増税、インフレが容易に想像できるでしょう。今の政府はそれを抑えるようなことはできません。そのXデーは決して遠くないので、しっかり準備しておきましょう。

完売御礼のSBI債やマネックス債の格付け

今ネット証券で買える有名企業の社債などの格付けは日本の格付け機関によって付けられた格付けがもちろんあります。例えばネット証券で人気でいつも販売開始と同時に完売してしまうほどの超人気債券であるSBI債とかマネックス債などの格付けは 「BBB+」 あたりの評価を受けています。やはり国家機関である国債よりも低い格付けになってしまいます。ただし両債とも非常に信用と実績があるSBIグループやマネックスグループです。破綻する可能性は日本よりも低いので、日本国債よりも安心できてしまうのが格付けの難しさでもあります。というか、格付けはサブプライムを判断できないことからも信用ならないので、自分の目と経験で判断するのが一番でしょう。

正式名称 マネックスグループ株式会社
2011年7月5日満期 1.10%円建社債
発行体 マネックスグループ株式会社
格付け BBB+ (日本格付研究所)
利率/税引前 年1.10%
発行日 2010年7月5日(月)
利払日 1回(2011年7月5日、償還時のみ)
償還日 2011年7月5日
申込単位 額面1万円単位
申込期間 2010年6月25日(金) 8:30 ~ 2010年7月5日(月) 14:00

正式名称 SBIホールディングス株式会社2012/7/20満期1.66%円建社債
発行体 SBIホールディングス株式会社
期間(回号) 1年(第21回)
格付 BBB(R&I)
利率 年1.66%(税引前)
年1.328%(税引後)
申込単位 額面10万円以上、10万円単位
売出価格 額面100円につき100円
売出期間 2011/7/11(月) ~2011/7/20(水)
抽選申込期間 (ネットのみ) 2011/7/11(月)16:00~2011/7/12(火)16:00(予定)
コース別お申込方法についてはこちら
発行日 2011/7/20
償還日 2012/7/20
利払日 2012/1/20、2012/7/20
発行額 100億円

 

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<開始編>初心者への債券投資の始め方手順♪
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